晩秋の青梅 1 
 青梅に到着したのは昼近く。早速ランチと決め込んだ。青梅が織物の町として賑わっていた頃はシンボル的存在だったという、大谷石造りの蔵を再生した「繭蔵」に入る。
 定番メニュー、繭膳を注文すると、とうもろこし茶と豆絞りのお手拭が出された。さりげなくも気の効いたおもてなしに気をよくしつつ、料理が運ばれるのを待つ。
 一汁五菜の膳は、店の雰囲気をそのままに優しい味がした。「おもち・春菊・桜海老のかき揚げ」「大根の揚げだし・干し貝柱風味」など、当たり前ななかにほんの少し驚きを加えた品々が並び、口元がほころぶ。後から黒豆茶とケーキが運ばれれば、心もお腹も満たされた。

 着いて早々、すっかり長居してしまった。
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