晩秋の青梅 プロローグ
ずっと行ってみたかった、青梅。 同じ都内なのに、いや、都内だからこそ 近くて遠い存在だった。 ふらりと散歩できる場所ではないけれど 旅行というほどでもない、そんな位置づけ。 でも、着物で紅葉を愛でようと考えたら まっさきに浮かんだのだ。 期待を胸に、初めての青梅へ足を踏み入れた。