岡本ふたり歩き プロローグ
 あっさりと白状してしまえば、私はまだ、着物を自力で着ることが出来ないでいる。浴衣は一度着てみればだいぶコツを掴めたけれど、着物はそう簡単にはいかないらしい。そもそも私は、ちょうちょ結びすらまともにできず、いつもひん曲がってしまうのだ。

 1人では心細いので、着物を着慣れた友達に手伝ってもらった。あっという間に、自分で着るより遥かに美しく着つけてもらう。手を動かしたまま彼女は「着物はごまかしながら着るものだよ」と笑った。

 「いつか洋服を着るようにさらりと着こなしたい」そう思いながら今は、あぁでもない、こうでもないとやっているのである。
 
次へ
もくじへ