ニコタマの桜 2
 
 
 
 
 奈良時代に貴族が梅を観賞したのが始まりとされる、お花見。日本に自生する桜が花見の対象となったのは平安時代、ソメイヨシノが開発されたのは江戸末期のことだ。以来、庶民も楽しめる春の風物詩となっている。

 多摩川の土手に沿って続く桜並木を歩いていると、当時の人々もこんな景色を見ていたに違いないという気持ちになる。都内に桜の名所は数あれど、これだけの桜が目線を上げずとも飛び込んでくる場所は、そうそうない。
 観光客がどっと押し寄せることも、露店が並ぶこともない場所。ただただ美しい桜を眺めたい人のための、誰にも教えたくない場所だ。
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