ニコタマの桜 プロローグ
私が初めて二子玉川を訪れたのは
小学生の頃だったと思う。
多摩川の土手を歩きながら感じた
ハイソな雰囲気と、ゆったりした時間の流れ。
自分の住む下町とは違う独特の空気感は
今でも鮮明に覚えている。

あれから、ニコタマも変わった。
緑地や河川の景色、桜や松林が
開発の波に飲まれなくなろうとしている。

土地の開拓は人類の歴史であり
「悪」と決め付けることは出来ない。
でも、都会の貴重な自然を
人の手で壊そうとしていることは事実だ。

私に出来ることは、今ある美しい景色を この目に焼き付けることだけだと思う。

 
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