神田神保町物語 2 
 すずらん通りには、たくさんの思い出が詰まっている。

 シャノアールでは数え切れないほど待ち合わせをし、東明徽章工芸で部員のつけるバッジを作成し、その隣の郵便局にもよく行った。今でも三省堂で本を買い、ティーハウスタカノでお茶をするコースは健在だ。

 道すがらのお供は、ろしあ亭のピロシキだった。当時は店頭で販売していて、子供がコロッケを買い食いするような感覚で食べ歩いたものだ。現在は衛生上の問題なのか、店内でしか味わうことはできない。

 そして、文房堂。画材店の老舗なのに、私がここで買ったものと言えば、ドイツから輸入された木彫りの置物にてぬぐい、ポストカードといった具合だ。店へ行くたびにお気に入りを見つけ、少しずつ増やしていく喜びは今なお続いている。

 すずらん通りから足が遠のく日は、まだまだ来そうにない。
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