私の神楽坂 プロローグ
 ギンレイホールを見つけたのは、大学1年のなかばごろだっただろうか?

 ロードショーより少し遅れて2本立てで上映される作品は、2週間ごとにタイトルが変わる。年間50本近い作品を1万円で好きなだけ観られる“シネパスポート”は、私にとって夢のような代物で、その存在を知った瞬間、私が神楽坂という街に通い続けることは決まったも同然だった。

 月に2度の楽しみを求め、たくさんの人で溢れる名画座。

 私の神楽坂は、ここから始まる。
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