派手な花は、あまり好きじゃない。それなのに、毒々しいほどに真っ赤な彼岸花へこれほどまで興味を覚えるのはなぜだろう。
1000もの呼び名があると言われる彼岸花は、多くの顔をもつ。球根に毒をもち、田畑や墓を掘り起こしてしまう動物を避けるために植えられた歴史的背景や、お彼岸の時期に合わせたように花開くさまが、ドキリとさせる怪しさを醸し出している。
一方、サンスクリット語に由来する「曼珠沙華」の呼び名は“天上の花”。つまり、おめでたいことの兆しを意味する。頭上の太陽に向かいまっすぐと背を伸ばし群れ咲く様子は幻想的で、昔話に出てくる極楽浄土のようだ。
見目麗しくもどこか影を感じさせ、怪しく幻想的。そして、一週間もせずに枯れてしまう儚さも併せ持つ、彼岸花。その様々な表情に、魅了された。