文京朝顔・ほおずき市 2
 源覚寺を出て朝顔市へ向かう途中、善光寺坂で少し寄り道をした。六地蔵尊が祀られている善光寺は“牛にひかれて善光寺参り”でおなじみの善光寺分院だが、明治17年までは伝通院の塔頭(敷地内の子院)で、縁精院という名だったのだそうな。
 その頃の名残りなのか、それとも別に神社が存在したのか?善光寺のすぐ横に、小さな祠を見つけた。

 雑草の生い茂るなかに一筋の石段、その先にひっそりとたたずむ小さな祠と、建っているというよりは立てかけられている、ささやかな鳥居……。都心にいることを忘れてしまいそうなその光景に、しばし釘付けになった。忘れられたように見える祠には、酒らしきものが供えてあったから、今なお神は宿っているのだ。

 時が止まってしまったようなその空間で、1人祈った。
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