文京朝顔・ほおずき市 1
 朝顔市と言えば入谷の鬼子母神境内、ほおずき市と言えば浅草寺だろう。どちらも早朝から多くの人で賑わう様子が、毎年ニュースでも放映される。この朝顔とほおずきを一度に楽しめる“文京朝顔・ほおずき市”が行われると聞き、足を運んでみた。

 ほおずき市の行われる源覚寺の入り口は狭く、ちょうちんがなければつい通り過ぎてしまいそうな場所にある。一歩足を踏み入れれば、所狭しと並ぶほおずきが。白い花を咲かせている鉢もあり「そう言えばほおずきってナス科だったなぁ」なんてことを思い出した。
 漢字で“鬼灯”と書くのは、実が赤く怪しげな提灯のようだから。昔の人は粋なことを考える。私はと言えば「最近レストランでほおずきの実を食べさせる店が増えてきたけど、この実は食べられるのだろうか」という、風情のかけらもないことを考えていた。(食用ほおずきはトマトを甘くしたような味でおいしいけれど、鑑賞用はおいしくないらしい……。)

 ほおずきの奥には、こんにゃくえんまが待ち受けていた。閻魔さまが自らの右目を与えて老婆の目を治したことから、感謝した老婆は自分の好物「こんにゃく」を絶ち、これを供えたのだそうな。今でも閻魔像の右目は濁っている。積み上げられたこんにゃくの山を見て、私ももってくれば良かったと少し後悔した。

 境内には、「塩地蔵」と呼ばれるお地蔵様も大小二体。歯痛で悩む人が塩をお供えしていき、治ったら塩を倍にしてお礼参りをするのだ。今ではお地蔵様が塩で埋まりそうになっている。その塩地蔵の絵が入った絵馬は、なかなかすごいものがある。参拝の折は是非見てほしいと思う。
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